野良と私の春夏秋冬

10数年来、自宅周辺の野良猫たちを見つめ続けてきたオバサンが綴る、「野良たちの生存記録」を兼ねた猫日記。

勇気を出して、再開します

まだ、どうにか生きておりました。

…というのは大げさですが、ずっと放置していたこのブログ、最後に更新した去年11月から、はや3ヶ月が過ぎました。


この3ヶ月間に、自分の身辺でも幾つかの「変化」があり、ブログ更新出来なくなっておりました。



実は、前回更新のすぐ後、実家の飼い猫2匹のうち、先住猫(オス・推定9歳前後)がこの世を去りました。

この子も、かつて私の実家前に捨てられていた猫さんでした。


うちの前に現れた時、すでに片目は失明していて、見えませんでした。

そのせいで元の飼い主に捨てられたのかどうか? 経緯はわかりませんが、生来の楽天的で人懐こい性格のおかげで、我が家の飼い猫となり、約8年間、穏やかで幸せな「猫生」を過ごしました。


5年前からは、新たに「後輩」として弟分の猫も加わり(この子も元捨て猫)、血は繋がってないけれど、実の兄弟のように仲良く暮らすことができました。


しかし、「猫AIDS」と「猫白血病」のキャリアと診断され、亡くなる2年ほど前からは少しずつ身体も弱り、動物病院に通って延命治療を続けていたものの、11月中旬、とうとう天国に旅立ちました。


その喪失感もあり、しばらくブログを書く気になれないでいました。


このブログは「野良猫」のことだけ書く、と決めて始めましたが、実家の猫達は、代々「外猫」だったり、誰かに遺棄され、成り行きで飼い猫になったりした子ばかり…。

この猫さん達のことも、他の「野良さん」と同じように紹介して良いのでは…?と思いました。


本当は、亡くなった猫さんの写真を載せ、名前もここに書きたい気持ちですが、万が一、悪意を持った人間が、猫の名前や写真から私の個人情報を探ろうとする可能性もあります。(そこまでヒマな人間はいない、と思いたいですが…)


なので、これ以上具体的なことは書けないのが残念です。

しかし、1つだけ付け加えると、「兄貴分」の猫が亡くなり、とても寂しそうだった「後輩猫」、この子にまた新たな仲間が出来ました。


詳細は省きますが、今、2匹は毎日プロレスごっこをしては、家の中を賑やかに走り回っています。

また、ほとぼりが冷めた頃、そんな様子もこの場に書けたら…と思います。


(【A地点】先日、2月16日夜の「グリちゃん」)


さて、長く更新が途絶えていた間に、「馴染み」の野良さん達にも色々な変化がありました。

ついに姿を見せなくなった子、新たに現れた子など、野良さん達の世界も常に激しく移り変わっています。


今夜会えたとしても、翌日また再会できるとは限らない…。

野良猫達が置かれた過酷な現状を思い、日々、自分の無力を痛感しています。


とりあえず、現在「無事」が確認できているうちの1匹、【A地点】の「グリちゃん」。

気の強さと人間への警戒心は相変わらずですが、彼女なりに、最近少しは「丸く」なったような気がします。


(上と同じ夜、「グリちゃん」が食べ終わるのをじっと待つ新顔さん😅)


以前は、私がエサを「彼女」の傍にそっと置いただけで、「シャーッ!」と威嚇しながら手を引っ掻こうとしていました。

しかし最近は、よほど手を近づけない限り、あまり攻撃して来なくなりました。

少しは、私を信頼してくれるようになったのでしょうか?


つい先日、いつものように【A地点】に行くと、まんまる顔でグレーの毛色が特徴的な「新顔猫」さんが、じっと私を見ていました。

どうやら、気性の激しい「グリちゃん」に遠慮して、彼女が食べ終わるのを待っているようでした。


この【A地点】は、他の「エサ場」が年々寂しくなっていくのに比べ、いつもコンスタントに食べに来る「常連客」が何匹かいるらしいのです。


「グリちゃん」以外の猫の姿を見ることはめったにないのですが、毎朝、エサの器を回収しに行くと、5匹分くらいはありそうな量のエサが、ほぼ空になっているのでした😓


他の地点の猫さん達にも、色々なドラマがあるようですが、また少しずつ紹介していこうと思います。


(【A地点】2月12日夜の「グリちゃん」)

(新顔猫さん、濃いグレーの毛にまんまるなお顔…。スコティッシュ・フォールドの雑種?)

新顔猫「ヨネクロ」/銭湯の仲良し2匹

(【C地点】のニュー・フェイス「ヨネクロ」。性別は今のところ不明。カメラにビビって目がまん丸に…😅)


こんにちは、「ねこのごんごん」です。

今日は月曜日ですが、仕事はお休み。

ここぞとばかり、ブログ更新しています。


このブログでは、最近ずっと、【C地点】の女ボス・「ブッチ」との別れについて書いてきました。


約5年間、ほぼ毎晩、顔を合わせるのが当たり前だった存在。

私にとって「彼女」は、顔馴染みの「常連さん」であり、親しい友のような存在でした。(挨拶がわりに、まず「シャーッ!」と威嚇されましたが…😅)


「ブッチ」を喪った悲しみは消えませんが、今もまだ、必死に生きている野良猫さん達を1匹でも多く助けるのが、「彼女」への供養になると信じています。



【C地点】は、「ブッチ」が消えて間もなく、夏の間「彼女」の元夫(?)だったオス猫「オッサン」がエサを食べに来ていました。

しかし、その「オッサン」も、夏が終わる頃、再び姿を消してしまいました😢

「彼」については、また今度書こうと思います。



こうして、一時とても寂しくなった【C地点】ですが、夏の終わり頃から新たな「常連さん」として、1匹の黒猫が来るようになりました。


【C地点】は、30年以上前からある、こじんまりした某スーパーのすぐ目の前です。

このスーパー周辺を「縄張り」としていた「ブッチ」一家。


スーパーの第二駐車場(「ブッチ」が倒れて死んでいた、と聞いている場所です)から、反対側の道路を渡ると、すぐ目の前に米の自動精米機が置かれています。


この黒猫さんとは、その精米機の前で出会ったのです。

正確に言うと、まだ「ブッチ」が生きていた初夏の頃、黒猫さんのほうから遠慮がちに「ニャ~ン…」と話しかけてきたのでした。


推測ですが、私が毎晩「ブッチ」にエサを持ってくるのを、少し離れた所から見ていたのではないでしょうか?

「いいなあ~、自分にもゴハンちょうだい~」とおねだりしていたのでしょうね。


憐れに思って、その精米機の後ろで、この子にも少しエサをあげたのでした。

毎晩会えるわけではなかったけれど、私も「今夜はいるかな?」と気にかけるようになっていました。


身体も小柄で、初めて見た頃は、まだ大人の猫になりきってない少年(少女)だったと思われます。(性別は不明)


「ブッチ」が姿を消してしばらく経った後、それなら自分が…とでも言うように、この黒猫さんは道路を渡り、【C地点】にエサをもらいに現れるようになったのでした。


黒猫さんは、どの子も「クロ」と呼びそうになってしまい、ネーミングに悩むのですが、この子とは「精米機」の前で出会ったから、「ヨネクロ」と名づけました。


あれからほぼ毎晩、「ヨネクロ」は【C地点】で、私がエサを持ってくるのをじっと待っています。


難点は、私が近づいていくと、周りに気づかれそうな声で「ニャオ~! ニャオ~!」と鳴き立てること。

「しーっ、静かに…」と言ってもムダで、ゴハンをもらえる嬉しさを抑えられない様子なのでした。



(【E地点】に生息する2匹、「のり平」と「オレンジ」のコンビ)


せっかくなので、もう1つの地点の猫さんも紹介します。

【C地点】は、私の実家に近いエリアですが、私の住むマンションのすぐ近くに、【E地点】があります。


あまり詳細に書くのは避けますが、【E地点】は、とある銭湯の裏手にあります。

ここも、長らく様々な猫さんとの出会いと別れを繰り返してきた場所です。


ここ1年ほどは、茶トラ猫の「オレンジ」と、「のり平」と呼んでいる、ちょっと特徴的な顔の黒猫、この2匹が仲良くエサをもらいに現れていました。


この2匹の関係は不明です。

「のり平」は、ほぼ間違いなくオスだと思いますが、「オレンジ」の性別は不明です。

しかし、何となくオスのような気がしますが…。


兄弟なのか、それとも「他人」だけど、野良猫同士で意気投合したのか…。

とにかく、2匹はほとんどいつも一緒に行動している「仲良し」でした。


最近は、この銭湯の「オヤジ」が色々な嫌がらせ(ガラスの破片を撒くなど)をするので、それまでの場所から、少しだけ横に移動した所でエサをあげています。


(昨日の昼前、【E地点】でのんびりお昼寝する「オレンジ」を目撃。「な、何だよ…😓 またエサくれるのか?」と言いたげな顔)


しかし、このところ、仲良しコンビだった2匹のうち「のり平」の姿を見ないので、心配しています。


【E地点】のすぐ目の前には大きな道路がありますが、そちらではなく、銭湯の西側の裏道、こちらを凄いスピードで飛ばして走る車もいるのです。

過去には、何匹もの猫さん達がここで車に轢かれ、命を落としました😢


お天気だった昨日の午前中、たまたま車で【E地点】の前を通りかかると、「オレンジ」が1匹、ひなたぼっこをしていました。

思わず車から降りて、「オレンジ、お前一人かい? 相棒はどうした?」と話しかけました。

もちろん「オレンジ」は答えず、何とも言えない目で私を見つめるだけでしたが…。

「のり平」が無事で、また会えることを祈っています。

「ブッチ」よ、安らかに…(その2)/明日の命をも知れない野良たち

(【C地点】の女ボス、在りし日の「猛女ブッチ」)


ずいぶんご無沙汰してしまいました😢

またまた、前回の更新から2ヶ月が経とうとしています。


夏以降、仕事でもますます忙しさが加速し、職場の人間関係から来るストレスもあって、疲労が蓄積していました。


毎晩の「巡回」には、何とか途切れずに行こうと頑張りましたが、ブログを書く余裕はなくなっていました。


しかし、それだけではなく、このブログを更新するのが、正直かなり「しんどい」気持ちになっていました。


毎晩、野良さん達にまつわる「良いニュース」ばかり報告できるのなら、もっと頻繁に更新できたと思うのですが…。


現実には、前回の記事でも書いた「猛女ブッチの死(推定ですが)」をはじめとして、悲しくツラいことのほうが多く、ブログを書くのに「エイヤッ!」と勇気を出さねばならないのが現実でした。


(2014年秋、いつもの場所でエサを食べる「ブッチ」と、その子猫(「クリーム」と呼んでいました))


「そんなにツラいなら、ブログなんてやめちゃえば~?」と思われて当然ですよね。

私自身、何度か「もう、このブログやめてもいいかな…」という気持ちになりました。


しかし、去年12月、自分がこのブログを始めた「当初の思い」を振り返ってみると…「一人でも多くの人に、こうした野良猫さん達がこの世に存在し、必死に生きていた」という事実を知ってほしかったから、という理由だったのでした。


その思いは、今も変わりません。

「猫虐待犯」が横行し、平気で他人の家の前に子猫を捨てて行く人間が後を絶たない時代…。

それでも、野良さん達は、自分に与えられた過酷な運命を受け入れ、必死に生きようとしています。


現在、「猫オバサン」として、何匹かの野良さん達と「ご縁」のある私ですが、「こんな子がいるんだよ」ということを、私以外の人間に一人でも知ってほしい、そう願っています。


(同じく2014年秋、「ブッチ」の産んだ7兄弟が元気だった頃、【C地点】は賑やかでした…)


前置きが長くなりました。

これからも、更新は滞りがちで、めったに読む人もいない低調ブログですが、細々と続けていけたら、と思っています。



6月27日の晩、最後にその姿を見て以来、忽然と消えてしまった【C地点】の「猛女・ブッチ」。


悲しいことですが、やはりあの日を最後に、2度と「彼女」の姿を見ることはありませんでした。


その死体をこの目で見てはいないので、実感が湧きませんが、「ブッチ」は既にあの世に旅立ったのだな、と思っています。

(「?」という方は、前回と前々回の記事をご覧いただけたら、と思います)


私の心の中では、最後に「ブッチ」の姿を見て、「ブッチ、またね」と声をかけたあの日、6月27日を「彼女」の命日だと思うことにしています。



でも、「さよなら、ブッチ」とは言いたくありません😢

毎晩の「巡回」で会う、何匹もの野良さん達、その中でも特に長いつき合いで、強烈な印象を残した「ブッチ」。

「彼女」がいなくなったという喪失感は、あまりに大きいものでした。


気性が激しく、荒々しく、毎晩エサをくれる私にも、まず挨拶がわりに「シャーッ!」と一声威嚇する、そんな猫でした。


その一方で、「彼女」は神出鬼没、【C地点】にほど近い某コンビニに私が駐車すると、どこから見ていたのか? すぐ横の車の下からニュッと顔を出し、「ニャオウ~!」と一声。

「ちょっと! アタシはここにいるわよっ! 早くエサ出しなさいよ!」とか言っていたのでしょう。


私以外にも、エサをくれるおじいさん(ただし不定期?)がいて、そうした「猫好き人間」の好意はちゃっかり利用しつつ、決して100パーセント人間を信用することはありませんでした。


人間に媚びることなく、最後まで野良猫としてのプライドを持ち続けた「ブッチ」。

何回も妊娠し、沢山の子猫を産み育てた「肝っ玉母さん」でもありました。

今さらながら、実に見事な「猫生」であったと思うのでした。


(左の「白×キジ」の子には「木の実」と名付けていました。黒猫は、そっくりなのが2匹いて見分けがつかず、名前をつけないままでした…)


「ブッチ」が2014年の春に産んだ7匹(!)の子猫達。

まるで猫の「毛色見本帳」のごとく、あらゆる毛色がさまざまに揃って、食事時「ブッチ」を含めた計8匹が勢揃いした様子は壮観でした。


しかし結局、この7匹のうち生き残ったのは「パンダ」と名付けたオス猫ただ1匹でした。

この「パンダ」については、また今度書きたいと思います。(3日前には、生存確認できました)


他の子猫6匹は、どこでどのような「最期」を迎えたのか、私には知る術がありません。

ただ、短い生涯だったけれど、紛れもなくこの世に存在していた証として、残っている写真を紹介しようと思います。


(7兄弟の中で、今も唯一生き残っている「パンダ」(オス)。2014年秋の姿)


(こちらは、7兄弟の中で一番私になついてくれた「チョビ」(メス)。1匹の忘れ形見を残し、姿を消しました😢)



今でも、毎日車で【C地点】の前を通ります。

いるはずがない、とわかっていても、そっと「ブッチ…、お前はいないの?」と呟いてしまうことがあります😢

今にも、すぐその辺りから、あの鋭い眼光で睨みつつ現れ、私にエサを要求(というか、恐喝に近い…?)する姿が見えそうな気がします。


ところで、前回の記事でも触れた「ブッチ」の元夫(?)、たぶん7兄弟の父親だったと思われる「オッサン」。

実に不思議ですが、2年近く姿を消していたのに、「ブッチ」が消息不明になって間もなく、再び【C地点】にエサをもらいに現れたのです。


今までどうやって生きていたのか、全く謎でしたが…。

ともかく、奇跡的に生きて再会できたことを嬉しく思っていました。


色々な推測ができます。

恐らく、しばらくの間は「夫婦」として、「ブッチ」と一緒に【C地点】で生息していた「オッサン」。

しかし、何らかの事情で妻「ブッチ」から追い出されたのではないでしょうか?


たとえば、「ブッチ」に他の相手(オス猫)ができたとか、自分の子育てのジャマになると思ったとか…。

一緒にいる時、どう見ても「ブッチ」のほうが強そうで、温厚そうな「オッサン」は、尻に敷かれているように見えました。

猫社会にも、人間社会に劣らぬ様々な「事情」があるのでしょう。


(そっくりで、最後まで見分けがつかなかった「黒猫兄弟」)

(「アカネ」と呼んでいた「白×茶トラ」の子。性別は不明のままでした)


しかし、7月22日に再会して喜んだのもつかの間、「オッサン」はその後、再び姿を消してしまったのです。

「彼」の身に何があったのか。

どこかで無事に生きていてほしい、そう祈るしかありません。


誰もいなくなった、と思われた【C地点】ですが、今は別の「お客さん」がエサをもらいに来るようになりました。

この「ヨネクロ」と名付けた野良さんについても、また近々書けたら、と思います。


(「ブッチ」の元夫?「オッサン」。この夏、「ブッチ」が消息を絶った後、再び現れましたが…)



長くなりました。

涙の再会を果たした、と思ったら、またすぐに姿を消してしまう…。

野良さん達は、明日の命をも知れない世界で、今日も懸命に生きています。