野良と私の春夏秋冬

10数年来、自宅周辺の野良猫たちを見つめ続けてきたオバサンが綴る、「野良たちの生存記録」を兼ねた猫日記。

「ブッチ」、お前に何があった?

前回の更新(6月16日)で、行方不明になっていた【F地点】の「もなか」と、約2ヶ月半ぶりに再会できた喜びを書きました。


しかし、あの後、今度は別の猫が姿を消してしまったのです。


このブログにも何度か登場しましたが、【C地点】の女ボスとして君臨し、私ともう5年近い付き合いになる「ブッチ」。

彼女は、6月27日の夜会ったのを最後に、その姿を消してしまいました😢


( 6月27日22時、【C地点】すぐ隣の駐車場で会った「ブッチ」。これが、彼女の最後の姿となってしまうのか…)


私がいつもエサを置く【C地点】は、とある事務所のすぐ前ですが、この夜「ブッチ」は、【C地点】に隣接するスーパーの駐車場にいたのです。


停まった1台の車の下で寝そべっていた「ブッチ」は、私が車から降りてくると「おや?」という顔をしましたが、「猫オバサン」だとわかると、ゆっくり近づいてきました。


なぜか「今、ここでエサちょうだいよ!」と言いたげな「ブッチ」。

動くのが面倒くさかったのでしょうか?


本当はマズイのですが…一握り、私の車の脇にエサを置いてあげました。

「ブッチ」はいつものように、私をチラチラと上目づかいで見ながら、エサをパクついています。

もう少しエサを足してあげようと手を伸ばすと、いつものように「シャーッ!」と威嚇の声を出しました。


この夜を最後に、彼女が消息不明になるなんて、思わなかったのです。

まだ少し人通りがある時間、怪しまれてもいけないので、「じゃあブッチ、またね…」と挨拶して、食べ続けている彼女と別れたのでした。

(【C地点】上と同じ日。私が置いたエサを食べる「ブッチ」)


この夜以降、私が「ブッチ」の姿を見ることはなくなりました。

何とか彼女の無事を確認したくて、夜の「巡回」の時はもちろん、明け方お皿を片付けに行く時も、必死で【C地点】の付近を探しましたが、「ブッチ」の気配はありませんでした。


27日の夜、私が「ブッチ」にエサをあげた駐車場は、彼女がずっと縄張りとしてきたスーパーに面しています。

そして、この駐車場の反対側には、広い道路につながる、信号のない道が走っています。

信号のある大通りを避けて、多くの車がこちらを通ろうとします。


「ブッチ」を最後に見た日の翌日は、私は疲れてしまい、「夜の巡回」に行けませんでした。

その次の日、車でこの道を走っていて、ちょうどあの駐車場から道に出る辺りに、猫が轢かれたような痕跡を見たのです。


猫好きな人ならわかると思いますが、猫が車に轢かれたことを示す血の跡…。

まさか「ブッチ」では…?という思いが頭をよぎりました。


この辺一帯を縄張りとしていた「ブッチ」は、例のスーパー駐車場から、道を挟んでさらに東側に渡った向こう側の自動精米機辺りまでよく行っていたからです。

(【B地点】6 月24日未明、エサを食べにやって来た「パンダ」。彼は【C地点】の女ボス「ブッチ」の息子です)


先週、この場所のすぐ目の前にある小さな美容室に入り、店の方に「ブッチ」の写真を見せながら聞いてみました。

「数日前、こういう猫がこの店の前で轢かれてませんでしたか?」

お店のご夫婦は、嫌な顔もせず応対してくれましたが、「う~ん、ちょっとわからないですね~😓」という答えでした。


でも、お店の方が知らない間に「ブッチ」が轢かれて、死骸も片付けられてしまった可能性だってあります。


「ブッチ」はどこかで生きているのか、それとも死んでしまったのか…。

どちらかわからず、宙ぶらりんの気持ちのまま、日がどんどん過ぎていきます。


2014年に「ブッチ」が生んだ7匹の子猫達。

必死で子育てしていた「ブッチ母さん」でしたが、冷たい木枯らしが吹く頃には、子猫達は次々と姿を消していきました。

まだ抵抗力のない野良猫の子供は、病気で呆気なく命を落としていくのです。


そんな中で、唯一生き残ったのがオス猫の「パンダ」でした。

「パンダ」は親離れしてからは、母が暮らす【C地点】から、車通りの激しい大通りを挟んだ対岸【D地点】に移動して来ていました。


最近は、【D地点】から直線で250メートルほど南に進んだ【B地点】に、エサをもらいに現れることが増えていました。

【B地点】は、あの「チビクロ」一家が縄張りとしてきた場所です。


最近は、この「パンダ」も、6月24日の未明、【B地点】で私が置いたエサをがっついている姿を見て以来です。

エサ場を渡り歩きながら、たくましく生き抜いている「ブッチ」の息子・「パンダ」。

彼についても、無事を祈ることしかできません。

(【B地点】、【D地点】、そして時には自分が生まれ育った【C地点】でエサをもらい、たくましく生き抜いていた「パンダ」)


それにしても、まだ「ブッチ」のことが諦めきれない気持ちです。

あんなにも強く、気性が激しく、他のオス猫達をもタジタジとさせる気迫に満ちていた女ボス「ブッチ」。


何匹もの子猫を生み育てた「肝っ玉母さん」。

私からエサは貰いながらも、決して人間に媚びず、野良猫の野生と誇りを持ち続けた「猛女・ブッチ」。

すばしこく賢いお前が、そう簡単に車に轢かれて死ぬはずがない、そうだよね?

心の中で、そう呼びかけています。