野良と私の春夏秋冬

10数年来、自宅周辺の野良猫たちを見つめ続けてきたオバサンが綴る、「野良たちの生存記録」を兼ねた猫日記。

「モック」突然の容体急変

つい先日、1月2日の記事に登場したばかりの「モック」。

12月になったある日、突然、私の実家の前に現れ、門前から動こうとしないこのキジ猫さんのことが、いつも気になっていました。


年末から、夜はようやく「外猫用の猫ハウス」で寝るようになり、少しずつ私への警戒心も薄れたのか、あげたエサを目の前で食べるようになっていた「モック」。


一昨日の1月4日には、別の猫さん(捨て猫)の去勢手術があり、仕事はお休みを貰っていたので、「モック」も病院に連れて行ったのです。


下に載せたのは、昨日、自分のfacebookに投稿した文章のうち「モック」について書いた部分です。(一部、修正)


【…そしてもう1匹、12月に入ってから突然実家の前に現れ、以来ほとんど毎日、門の前から動かない1匹のキジ猫さんがいます。


私にエサをおねだりする訳でもなく、鳴き声も立てず、ひたすら静かに門の前の道に座り続けている猫さん…。

何だか哀愁を感じてしまいます。


見かねて、「あんた、ここは寒いよ。どうせなら、敷地の中に入ったら?」と声をかけても、何とも悲しそうな目でジッと私を見上げ、動こうとしません。

入ったら怒られる、と思っているのか、それとも遠慮しているのか…?

またもや、身勝手な人間に捨てて行かれたのでしょうか?


とにかく、具合も悪そうだったので放っておけず、この子も昨日、動物病院で診察してもらいました。

診察の結果、性別はオスで、もうそんなに若くはない「中年」の猫だと言われました。

風邪に似た症状(鼻水、目やに)で苦しそうだったので、飲み薬を出してもらいました。


私の実家の中には、れっきとした(?)2匹の飼い猫がいます。

可哀想だと思うものの、この新顔のキジ猫さんを、家の中で飼ってはあげられないのでした😥


このキジ猫さんに「モック」と名づけた私。

正直、先のことはわかりません。

でも、寒い冬の間、せめてもの「救済措置」として、「モック」を「猫ハウス」で寝かせてあげることにしました。


長年、我が家の敷地内には、色々な「外猫さん」が暮らしてきました。(一番長生きした子は、19歳で大往生を遂げました)


彼ら「外猫さん」のため、雨露や冬の寒さをしのげる「猫ハウス」を作り、いつも置いていたのです。

去年の5月、最後の外猫だった子が亡くなって以来、ずっと「空き物件」になっていたこの「猫ハウス」、「モック」に入り方を教えると、彼はすぐに覚え、この年末からハウスの中で寝るようになりました。…】



ここまで、昨日のfacebook投稿からでした。

そんな訳で、私もすっかり安心していたのです。


ところが今朝、私が実家に行き、猫ハウスを覗くと、「モック」は中でグッタリして動けなくなっていました…!


(つい一昨日の「モック」。この時はまだエサを食べています。今、生きようと病院で頑張っているはず。私には祈ることしか出来ません😢)


慌てて「モック、モック、どうした!?」と呼びかけ、身体を揺すると、微かに「ニャ…」と言って身動きしたので、まだ生きているのはわかりました。


しかし、エサを鼻先に近づけても見向きもせずに、ジッと横たわっています。

身体の体温も下がっているのが、素人の私にもわかりました。

明らかに「危険な状態」。

これまでに見てきた、沢山の猫達の「最期」が頭に浮かびます。


迷っている暇はなく、すぐにモックを古いセーターでくるみ、動物病院に連れて行きました。

自分の朝食どころではありません。


一昨日、診察して貰ったばかりの病院。

あれから2日も経ってないのに、一体なぜ突然こんなことに…?という気持ちが込み上げてきました。


この動物病院は、我が家の猫達が長年お世話になってきた病院で、先生は女性の獣医さんです。

実家から一番近いこと、長年の付き合いがあることなど、幾つかの理由で、うちの猫さん達はこの動物病院に連れて行くことが大半ですが、今回のように「!?」と思ってしまうケースもあります。


先生は良い方だとは思うけれど、「獣医」としての力量というか、その診断に不信感を抱いてしまうことが…。


「モック」の体調があまり良くなさそうだったから、一昨日、わざわざ診察して貰ったのですが、特に血液検査や抗生剤の注射をしてくれる訳でもなく、風邪に効く飲み薬を出して貰っただけでした。

内心「えっ? それだけ?」と思ったけれど、その時は言えなかったのです😰



「モック」は、病院で専用のケージ(人間で言うならICU)に入れられ、すぐに点滴が始まりました。

先生から私の意志確認をされたので、「できる限りのことをして下さい」と頼んで「モック」を病院に預け、マンションに戻りました。


正直、「亡くなりました」という知らせが携帯に掛かってくるのを覚悟して、スマホを手離さないようにしていました。


午後1時半頃、病院からの着信がありました。

「ああ、ついに…」と思いながら電話に出ました。

すると、意外にも先生が「モックちゃん、少し持ち直したようで、身体を起こし、エサを食べようとしました」と言うのです。


思わず「えっ? じゃあまだ生きているんですか?」と聞き返してしまいました。

まだ「モック」は持ちこたえている、それがわかり、思わず涙が出てきました。


今夜は一晩入院し、明日また、先生がその後の経過を教えてくれることになりました。

しかし、過去の経験から、身体の弱った野良さん達の命がいかに容易く失われていくか、見てきた私。

決して安心は出来ません。


何の因果か、私の実家の前に捨てて行かれた「モック」。

たった1ヶ月足らずの「ご縁」で、もう死んでしまうなんて、悲しすぎます。

私には、もう祈ることしか出来ません。

自分の無力さをひしひしと感じる瞬間です。


それにしても…。

もし「モック」が何らかの病気で弱っていると知った上で、「色々面倒だから」と遺棄した人間がいるのなら、許せない気持ちです。